sweet voice

内川さんは、中肉中背で可もなく不可もないルックスで、一言で言えば普通の人だ。


だけど、メガバンク勤務なら一流大学卒だろうし、友達になるのはプラスになるに違いない。


「わかりました、ではまた日を改めましょうか」


「本当ですか?


じゃあ、連絡先を教えます」


名刺に携帯番号をその場で書きこんで、渡してくれた。


「頂戴します」


私も、名刺に連絡先を書いて渡した。


駅の改札を通って、地下鉄のホームで電車を待つ間も、ずっと話していた。


「なんか、信じられないです」


「何がですか?」


「まさか、オッケーしてもらえると思わなかったので」


「二人で会ったら、幻滅するかもしれませんよ」


「僕は嫌われるかもしれませんが、僕が藤原さんを嫌うことはないです」


「どうしてですか?」