その日のうちにミホコの家に行った俺だったけれど、そこはもぬけの殻だった。


何度チャイムを押しても誰も出てこない。


ミホコの名前を呼んでも反応はなかった。


それでもしばらく粘って名前を呼び続けていたら、隣人が怪訝そうな顔をして出て来て「数日前に引っ越したよ」と、教えてくれた。


ミホコが売られ、新人とミホコの両親が街から忽然と姿を消した。


これが偶然だなんて到底思えなかった。


なにかがある。


そう思うと眠る事ができなくて、俺はずっと『人間発注書』について調べていたのだった。