販売部の人間に会える緊張が増している。


『人間発注書』の関係者からなにか話を聞く事ができるかもしれないという期待もあった。


約束場所は駅に隣接して立っているホテルのレストランだった。


とても高校生が来れるような価格ではないレストランに、俺は更に緊張してしまう。


指定された名前で予約が入っていたが、相手はまだ来ていなかった。


スマホで時間を確認してみると約束時間の20分も前だ。


緊張しすぎていてもたってもいられなかった。


それから15分ほどソワソワしながら待っていると、黒いスーツ姿の男が現れた。


男はまっすぐこちらへ向かって歩いてくる。


俺は思わず席を立ち、相手を待っていた。


スーツの男は俺の顔を見た瞬間、驚いたように一旦足を止めた。


それから気を取り直すように歩き出し、俺の前までやってきた。