「あの人は上得意様だって、新人から聞いたんです。けれどコンビニに買い物に来る姿をほとんど見たことがなくて、不思議だなって思ってたんです」


「そうだろうね。あの人は普通の商品に興味はないからね」


「そうなんですか? じゃぁ、どんな商品を買っているんですか?」


「それは教えられない。前にも言ったけど君はまだ子供だから」


そう言われ、俺は一瞬イラついてしまった。


20歳を迎えないと『人間発注書』のがここにあることも教えてくれなさそうだ。


「あの人、何をしてる人なんですか?」


俺はすぐに質問を変えた。


「何もしてないよ。立派なニートだ」


そう言って、店長は苦笑いを浮かべた。


ニート?


無職なのに屋敷に暮らして女を購入してるのか?


「あの人の家は資産家でね。本人は次男坊だから家からお金だけ貰って好き勝手してるんだよ」


「そうなんですか」


「あぁ。無職者が多い中でも、あの人は一味違う無職者ってわけだよ」