『お母さん!嘘でしょ!嫌ー!!』 弘恵が病室で泣き崩れて、ベッドに覆いかぶさっても。 誰も何も、不思議には思わなかった。 ただ、看病の間中、看護婦からも親戚からも、時々『愛子さん』と呼び間違えられても、平気そうな顔をしている事以外は。