−−実際のところ。

全部、嘘だった。
佳祐はいつも帰りが遅いうえ、どこか二人で旅行に行くことなんて、義母の還暦のお祝いぐらいしか結婚してから記憶に残る旅行としては、ない。

『まあ、弘恵さんが楽しいなら……ただね。』