「ったく、エグいことするな。人の欲を利用して殺すなんてさ」
「殺すなんて人聞きの悪いこと言わないでよ。生きるために必死なのよ、こっちは。それに仲間かと思ったのに。所詮女王様も人間だったし。」
「なーんてこと言って、実は楽しかったろ。『日に焼けさせろ』なんて何言ってんのかと思ったけどこういうことか。さすが頭脳担当」
「実行もしてるけどね」

遠目で見ると兄妹が仲良く喋っているように見えるであろうこの光景。

…会話を聞くとほのぼのとはだいぶかけ離れてるけど。


「で、次の獲物どうする〜?『食料』は貯められる時に貯めといたほうがいいしな」

そう言われ少し考えてからこう言った。
「理事長はどう?」
「短期間に2人も死んだらさすがにヤバイだろ」
「いやいや、今度は『殺される』んじゃなくて『殺してもらう』んだよ」
「ごめん、出来の悪い兄貴はお前の言ってることがよくわかんないから説明してくれ」

フフフと笑う。
兄様、引くな。

「つまり、自殺してもらうんだよ!娘が殺されてそのショックで、とかさ。あの人雫サマのこと溺愛してたじゃん」
「なるほどなるほど。クソ野郎だな」
「それは私にとっての褒め言葉」