私立嶺星高校。高校受験を目指す学生の間で憧れない人はいない、とまで言われるA県屈指の超名門校。

しかし、蓋を開けてみるとはっきりとした「身分差」があるカースト社会。
そのことを教師たちは知っていても何も言わない。否、何も言えないのであった。

その理由は理事長にある。嶺星高校の理事長の一人娘である嶺星雫がそのカーストトップに君臨し、側近の者たちに娘に甘い理事長は様々な特権を与えていたからである。特権の一部には「雫の機嫌を損なわない限り何をしても処分は下されない」という治外法権的なものもある。それは理事長の警察上層部との深いパイプによってなされたものであった。
つまり、処分は下されないの範囲は法律も含まれるのだ。

だから、雫の周りには取り入ろうとする女子たちや気に入られようとする男子たちで大にぎわいであった。