今度竜さんにお礼言わなきゃな…。

一つ口に入れると、桃の香りが口に広がった。


桃っ、桃…!

優雅を見ると、「うめぇか。食え食え」と笑って言った。





「竜が一番喜びますね。昨日の夜中焼いてたんですよ」

「…!!」

「いい匂いするな〜って思ってたんです。朝、組の奴らとも食べてて。竜や、組員が「これは若姐さんの元気が出るぞ!」って言ってました」





圭斗さんは朝の出来事を教えてくれた。

早く帰りたいなぁ…。

みんなに会いたい。
顔はちょっ…いや、かなり強面だけど…内面は凄く優しくて…。




「あぁ、来たみたいだな」



優雅は病室の入口を見て言った。





「お、久しぶりだな。葉月」




そこには灯二君と時雨君が立っていた。



「はい。これ」

「わぁっ、ありがとう!」



プリンやらゼリーやらお菓子…たくさんの食べ物が入っていた。

圭斗さんが冷蔵庫に入れてくれた。



「体調どうだ?リハビリは順調か?」




時雨君はベッドの隣にある、こっちを向いているソファーに座った。





「うん、体調は平気。昨日のリハビリで立てたんだよ!んでね、一歩だけど歩けたの!」





そう言う私に、時雨君と灯二君は、そうかそうかとケラケラ笑いながら言った。



「元気そうだな」

「頑張れよ」



私はニコッと笑って頷いた。

ーコンコン