黒の村娘といにしえの赤鬼

「ね、よくここに来たりするの?」
「まあ…たまにですけど。あまり勝手に動けないので」

そう言うと右京さんは目を輝かせて私の手をとる。

「ほんと?実はさ、君の話を聞きたいと常々思ってたんだ。要するに珠々ちゃんに興味が湧いたってこと!」
「え、どういうことですか…?」


急に触れられたものだから驚いて彼の目を見つめてしまう。
こんな至近距離見たのは初めてだ。
端正な顔立ちだが、時雨と違った雰囲気…色気っていうのかな。
大人な感じがする。


「右京、いい加減にしろ。そいつは普通の女と違って時雨のものなんだから」


ものって…。
私は物じゃなくて一人の女ですけど?!


「大丈夫だって!まだ祝言を挙げてないんだし、別に横取りしようなんて思ってないからさ!」


右京さんはそう言うけど、紫苑さんからは疑いの眼差しを向けられたままだった。