黒の村娘といにしえの赤鬼

「…甘いな」
「し、時雨様…!」


背後から突然現れた日向さんにふみさんは慌てて頭を下げる。

あれ?
日向さんの部屋って私のいる屋敷より離れてたよね?
急に来るなんて…何か用でもあるの?


「どうしたんですか?」


私が尋ねると彼はふっと笑みを浮かべて側に寄る。

「ふみ、少し席を外してもらえないか?」
「かしこまりました」

そう言って私たちの所から離れていくふみさん。


…ちょっと待って。

今日向さんと二人きり?

何だか無意識に緊張してくる。