「まあ、今日はこれくらいにしてお前は早く鬼としての生活に慣れるように」
「…日向さん、お願いが一つだけあります」
「何だ?」
「これからここで暮らすというのならせめて父さんに…父に挨拶をしたいのです。今頃私が帰らないと心配しているはず。私も何も言わずじまいなのでどうか一度村に帰らせてください」
本当は村に帰って今まで通り普通に暮らしたい。
でも鬼の私があの村にいたら父さんにも…小夜にも裏切ることになる。
帰るべき場所は、ここしかないんだ…。
家族がいない場所が帰る所なんておかしいけど。
「…それはできない。お前も余計な未練を残したままより、このままここで生活すればいい」
「あ…」
日向さんはそれだけ言うと立ち上がって部屋を後にした。
何よ…人間だった私には鬼仙草をくれて、村まで送ってくれて優しい鬼だと思ったのに。
鬼だと知ったらこんな仕打ち…。
普通反対なんじゃないの?
「ごめんね珠々ちゃん。時雨にも時雨なりの考えがあると思うんだ。分かってやって」
「右京さん…」
「まあ、俺は時雨の意見に賛成だけど」
「ちょっと紫苑!」
「…ふん」
紫苑さんは不機嫌なまま部屋を出ていく。
なんか私を嫌っているような態度だし。
こんな調子で鬼として生活できるのだろうか。
今のところはふみさんと右京さんが私の味方…ということでいいのかな。
先行きが不安な中、私は今日という濃い一日を終えようとしていた。
「…日向さん、お願いが一つだけあります」
「何だ?」
「これからここで暮らすというのならせめて父さんに…父に挨拶をしたいのです。今頃私が帰らないと心配しているはず。私も何も言わずじまいなのでどうか一度村に帰らせてください」
本当は村に帰って今まで通り普通に暮らしたい。
でも鬼の私があの村にいたら父さんにも…小夜にも裏切ることになる。
帰るべき場所は、ここしかないんだ…。
家族がいない場所が帰る所なんておかしいけど。
「…それはできない。お前も余計な未練を残したままより、このままここで生活すればいい」
「あ…」
日向さんはそれだけ言うと立ち上がって部屋を後にした。
何よ…人間だった私には鬼仙草をくれて、村まで送ってくれて優しい鬼だと思ったのに。
鬼だと知ったらこんな仕打ち…。
普通反対なんじゃないの?
「ごめんね珠々ちゃん。時雨にも時雨なりの考えがあると思うんだ。分かってやって」
「右京さん…」
「まあ、俺は時雨の意見に賛成だけど」
「ちょっと紫苑!」
「…ふん」
紫苑さんは不機嫌なまま部屋を出ていく。
なんか私を嫌っているような態度だし。
こんな調子で鬼として生活できるのだろうか。
今のところはふみさんと右京さんが私の味方…ということでいいのかな。
先行きが不安な中、私は今日という濃い一日を終えようとしていた。


