黒の村娘といにしえの赤鬼

「まあ…こうして見ると本当にそっくりでいらっしゃる」

そう言ってふみさんはまた懐かしむように私を見つめていた。
もしかしてふみさんは私の何かを知ってる…?

「ふみさん、そっくりってどういう事でしょうか?」


するとふみさんは穏やかな笑みを浮かべて微笑む。


「珠々姫様の母君に、という意味ですよ」


「そう…なの…」


父さんに似ているとは一度も思ったことはなかった。
だから私は母さんに似ているのだと思っていた。
今まで母親という存在を知らずに育ってきた私。
私にもちゃんと母さんはいたんだと当たり前のことが今やっと確かめられた気がする。


「さ、姫様。今は若君方がお待ちです。母君の事でしたら夜にでもお話致しましょう」
「分かりました」
「姫様、敬語が」
「あ、ついつい…」


今日出会ったばかりで、しかも年上の人に敬語使わないのは結構難しいけどふみさん口うるさく言いそうだから直していかないと。

そう考えながら私は日向さんの待つ場所へ向かった。