黒の村娘といにしえの赤鬼

私が困惑している中、牢屋の扉が開かれ手首を掴まれて立たされた。
見張りの鬼も口をあんぐりと開けて驚いているようだった。


｢日向様！まさか人をここに住まわせるというのですか！？｣
｢考えをお改めください！｣

二人は必死で止めようとするけど日向という男は聞く耳持たず。


｢直にお前たちも分かるだろう。黙ってそこを通せ｣
｢ですが…｣
｢いいから通せと言っているんだ！｣


強い口調で脅すように言い放つと見張り二人はすっと道を通してくれた。
私は手首を掴まれたままどんどん上へと上っていく。
息が切れる頃、やっと地上に出た私は外の眩しさに目が眩んだ。
彼は足を止めることなく私を連れてどこかへ向かっている。