毎日店主の目を盗み、そっと商品を持ち去り、人があまり来ない路地裏で食べる。

加熱したりする事ができないため、盗むほとんどのものがそのまま食べれる果物だった。

うまくいったときはいいが、失敗したりすると店主に殴られる以外にも通りを歩いている人にまで石を投げつけられる。

おかげであたしの体はいつもボロボロだった。

そして夜は人通りの少ない路地に入り、捨てられているゴミなどの間に身を潜めて朝を迎える。

心が安まるときなんて一時もなかった。

常に誰かに見つかりやしないか神経を張りつめていた。