「はぁ…はぁ…」

久しぶりに魔法を使ったせいで、体がだるい。

彼は…攻撃が急所を外れていたため命は助かった。

しかし、血を失いすぎているのか、気絶していた。

幸い、ここは屋敷からそう遠くない。

あたしは彼を背負い、屋敷に戻った。

彼を自室のベッドの上に寝かせ、救急箱を取りに行く。

あたしがたまに狩りに失敗し、傷ついて帰ってくると彼は必ず手当をしてくれたから救急箱がどこにあるかは知っていた。

救急箱を取り、部屋に戻る。

丁寧に傷を消毒し、包帯を巻いていく。

まさかあたしが彼を手当することになるなんて思いもしなかった。

手当てを終え、救急箱に余った包帯と消毒液をしまう。
魔法を使いすぎたのかもしれない。眠い。

あたしはそのままベッドに寄りかかるようにして眠った。