あれは、中学校三年のとき。
進学校のパンフレットを山ほど持たされて帰り道。駅前に人は多く、だけど夏祭りなんて行事も今は目にもとまらなかった。
受験生なため、遊んでいる暇はない。
その時、僕は高校が決まっておらず出遅れスタートをどうにか巻き返すことにだけ必死だった。

駅を離れるように、市街地へ歩いていく。
町外れの塾に向かうのだ。とりあえず進路をどうするか先生に相談しないと。

まだ、夕方なのにも関わらず田舎の駅はお祭り気分で、学校へと続く住宅街やお店に沿うように屋台が立ち並んでいた。