「工藤、最近彼女とはどうなの」

僕の友達、清水が聞いてきた、集中できないなあ、教科書をそっと閉じた。
「うまくいってるよ」
「中条さん、可愛いもんなあ」
「うん。」
彼は僕の後ろの席であり、振り向いた僕ににやにやとしたり顔。

「工藤から好きになったの?」
「………………ぅん」
「意外だわ!教えてよ馴初め」
きひひと、八重歯を見せて笑う彼は明るさの塊のような性格で、本来は接点のないような、僕と真反対の人間だ。
前の水曜日の一件があってから、少しずつ話をするようになった。

頭の悪い人間を見下していたような最低な人間だった。
僕は、彼と話をするようになってから以前までの僕をひどく卑下している。
彼はとても面白く興味深い。
共にいる人の楽しみというのは、ペーパーテストでは左右されない、改めてわかった。


「しょうがないなあ」
と僕は息を吐いた。