パッと目が覚めた。

時計を見たら11時半。

寝すぎた。

でもすることないしいっか。

相変わらずつまらない入院生活。

でも今日はよく寝たせいか体調がとてもいい。
屋上でも行こうかな〜


入院してから初めてまともに病院内を歩いた。やっぱり気分転換になる。
屋上に向かう途中、女の子が目の前で転んだ。


「だ、大丈夫!?」

私が駆け寄ると

「えへへへ、大丈夫だよ!お姉さんありがとう!」


うわ、とても可愛い笑顔だな、、。
前にも似たような笑顔見たような気がする。
気のせいかな?


「もも〜〜どこにいるんだ〜」

男の人が誰かを探してる。
聞き覚えのある声だ。

「お兄ちゃん!!!」

男の人は気づいてこちらに走ってきた。

「もも!なにしてんだ!」

「ももが転んじゃってお姉さんが助けてくれたの!!」

「そうなのか、すみません助けていただいてありがとうございます。」

男の人が私を見る。

「みら?」

「え、、、、、、なんでいるの、、れ、お、」

目の前にいたのは私の1番会いたくない人。
世界で1番大嫌いな人。
私を1番傷つけた人。

「美羅!?なんでこんなとこに、、」

「礼央こそ、なんで、、、」

「俺はもものお見舞い、あっこいつ俺の妹。」


「そっか、」

「美羅は?」

「「桜木さ〜ん!」」

タイミングよく看護師さんが礼央のことを呼んだ。

「今行きます!じゃあ行くわ。あとでまた話そう。6時半にロビーで。じゃっ。」

そう言って行ってしまった。

私は唖然としてる。

なんでこんなとこに礼央がいるの。

桜木礼央。私が唯一ちゃんと付き合った相手。高校1年生のとき礼央に告白された。礼央のことは気になっていた。だから嬉しかった。そこから付き合い始めた。
礼央は私にすごく優しくしてくれた。
私は礼央のことが大好きだった。

でも、付き合って半年の記念日の日、いつもの公園で朝10時に待ち合わせしてたのに礼央は来なかった。電話も何回もした。繋がらなかった。次の日からレオは学校に来なくなった。礼央のこと必死に探したけど見つからなかった。でも私は礼央のことを待ち続けた。その3ヶ月後に街で礼央のことを見かけた。話しかけようとしたら隣に美人な女の子がいた。楽しそうに話している。それをみて、私はもう捨てられたのだと思った。
礼央のことが大好きだったのに、
なにも言わずに捨てられた。

それからだ。私が何事にもつまらなく感じたのは。

私には礼央が必要だった。

だからだ。

礼央のことが大嫌いになった。



また再開しちゃうなんて、
私どんだけ神様に嫌われてんの。

あとでとか言われたけど
今更話すことなんてないしな、、。


そんなこと考えてたけどわたしは6時半になったらロビーに向かった。