冷たい身体で僕は訳も分からず泣いていた。



宙に浮く感覚に目を開けると、
制服を着た優しそうなあなたが居た。



胸に抱えられた僕はたちまちすがり泣いた。



あなたのお家のお風呂場で、
湯気の立つお湯に怯える僕に少しずつお湯をかけてくれたあなたのおかげで、


心も身体も暖まった。



その時の僕は自分が捨てられてた事には気づいてなかったけど、



"ありがとう"とあなたに伝えたかった。



大人になるにつれて僕は捨てられてた事に気づいたけど、



優しいあなたが飼い主になってくれた有り難さを身に感じたよ。