キミを奪いたい





……やっぱりやめておけばよかった。



なんて、そんなことを思ってももう遅い。


目の前にいる男の子は明らかに私を不審者だと思っている。

だって、ここにいるっていうことは、私が尾行してたってことに気づいてたってことだ。


尾行なんて、なにか思惑がなければしない。イコール、尾行した私はなにか思惑があると言っているようなもの。




……どうしよう。なんの言い訳も思いつかない。






「…………」

「…………」



頭の中で言い訳を絞り出そうと必死な私を、ジッと穴が開きそうなほど見つめてくる男の子。



沈黙がこわい。
視線が痛い。


圧が……すごい。


こわすぎて、目を見るどころか顔を上げることさえ出来なくて。

蛇ににらまれた蛙とはまさに今の状態のことを言うんだと思う。