キミを奪いたい



なんでここに来たんだろう?と不思議に思っていると、一歩後ろで景色を見ていたリョウが隣に並んできた。



「リョウ、ここって……」

「……あの遊歩道、見えるか?」

「遊歩道?あ、あれの事?」

「あぁ」



展望台の端にある遊歩道はどうやら下っているらしく、先が見えない。


あの遊歩道が……?



「あの先に霊園がある」

「霊園……?って、お墓?」

「あぁ」

「もしかして……」



お母さんの……?



「そこに母さんの墓の土地を買った」

「土地……」

「……この場所は母さんが好きだったんだ」



お母さんが……あぁ、そっか。

だからこの場所にお墓を建てようと思ったんだね。



景色を眺めるリョウの瞳は今まで一番晴れやかで。

もしかしたらリョウは、お母さんと一緒にここへ来た事があるのかもしれない。

きっとその時の事を思い出しているんだろう。