キミを奪いたい





「だから、行け。リョウの元へ」

「侑真……」



笑顔で小さく頷いてくれる侑真に熱いものが込み上げてくる。




「リョウに捨てられんじゃねーぞ!」

「瑠衣……」

「仲良くしろよ」

「颯太……」

「あーちゃん、幸せになってね。あ、喧嘩したら言って。ボコりに行くから」

「な、なっちゃん……」



口では物騒な事を言っているけど、私を見つめる瞳は他の誰よりも優しくて。


「ありがとう、みんな!」


自然と笑みが零れた。





「ほら、あやのちゃん行って!彼氏が待ってるよ!」

「リンちゃん……!」



か、彼氏って……!

いや、まぁ、そうなんだけど。


人から言われるのって何だかくすぐったいというか、恥ずかしいというか。



「照れてないで早く行く!」

「う、うん!」



ほら!と促されて振り返れば、


「リョウ……」


ヘルメットを脱いでバイクにもたれているリョウと目が合った。


目が合うなりフッと笑みを浮かべられて。

その笑みを見た瞬間、何かが弾け飛んだようにその場から駆け出した。