そう思っていたら、



「───あやの」



侑真の穏やかな声が静まり返ったその場に響いた。



え?と口から零れたのはきっと自分の声で。
だけど、どこか遠くの方で聞こえたような、不思議な感覚だった。



……今、私のこと呼んだよね?


そう思ったのとほぼ同時に、わぁっと、せきを切ったように一斉に喋りだしたメンバーたち。



「あやのちゃん!」

「お前、俺らのあやのに手出しやがったなー!」

「俺らの天使がー!!」



みんな……


いつもと変わらないメンバーたちの態度に、鼻の奥がツンとなって泣きそうになった。

それに気付いたリョウが、言葉の代わりに頭を撫でて良かったなって言ってくれる。


私も同じように言葉ではなく頷くことで返事をした。







「あやのちゃん、良かったね!」

「リンちゃん、色々聞いてくれてありがとう!」



本当に、色々聞いてもらった。

リンちゃんと妃奈ちゃんがいなきゃ毎日悩んでもっと落ち込んでいたと思う。


本当に二人には感謝してもし足りない。