キミを奪いたい



「お前にやるつもりはない。──それに、近々片付く予定だ」

「片付く? ……お前、何か企んでるだろ」



何かを感じ取ったのか、訝しげにそう問いかける侑真。

するとリョウは、ここへ来て初めてゆるりと口角を引き上げた。



「あぁ。タダで若頭の座を譲るつもりはねぇよ」



その黒い笑みに思わず顔が引きつった。

もしかして、何かよからぬ事を考えてる、とか?



「そうか。まぁ頑張れよ。あ、これから下の奴らにお前とあやののこと説明しておく」

「侑真、それは……!」



自分から言った方が……



「あとで自分の口からも言ったらいい」

「……うん、分かった」



それがいいかもしれない。私からだと上手く言えないかもしれないから。



「あ、下りて来たら覚悟しとけよ?アイツら、あやの大好き人間だからな」

「……あぁ」


それだけ言って部屋から出ていこうと歩き出す侑真たち。

けれど、数歩進んだところで立ち止まったかと思うと、もう一度振り返ってリョウを見据えた。





「───本当に、後悔しないのか?」