キミを奪いたい



「お前の決意は分かったが、その縁とやらを完全に断ち切らないとお前にあやのを任せることは出来ない」


「……あぁ、分かってる。今日ここへ来たのは今すぐお前らから奪うためじゃない。俺の意思を伝えておきたかっただけだ」



リョウはチラッと侑真を見ただけで、すぐにまた私の方へと視線を戻した。

さっきと変わらないその真剣な瞳に何だかいたたまれなくなってきて、逃げるように俯いてしまう。



「正しい選択だな。“今”じゃなかったら確実にお前から引き離していた」

「……だろうな」



その返事にフッと小さく笑みを零した侑真は、ゆっくりと腰を上げ、「行くぞ」と幹部たちに声をかけた。


私も慌てて立ち上がろうとしたけれど、侑真に止められてそのまま元の位置へと戻ってしまう。



「あやのにまだ話があるんだろ」

「あぁ」


え? まだ何かあるの……?

今の話が全部だと思ってた。