キミを奪いたい




「本妻だ」

「っ」


本妻……


「“アンタの父親は妊娠しているアンタの母親を捨てて私と結婚したのよ”。それが初めて会ったあの女の第一声だった」



っ、ひどい……初対面でそんな……



「捨てられたお袋を嘲笑うあの女も、お袋を捨ててそんな女を選んだ親父も、憎くて堪らなかった。

だから奪い返してやろうと思った。

俺のモノになるはずだった若頭の座を」



リョウ……


感情が高ぶっているのか、まるで本妻を見ているかのような鋭い目付きで私たちを見つめてくる。


怖かった。

けど、それと同時に哀しかった。


リョウの瞳から感じられたのは憎悪だけじゃなかったから。



「奪うと決めてからは早かった。その意思を告げると若頭はすぐに承諾し、街を統一したものを次期若頭にすると宣言した」

「……」

「俺はすぐにZeusをつくり、真っ先に本妻の息子が率いるチームを潰した」