「若頭になるために街を統一?」
「……うん。彼女がそう言ってた。Zeusが突然現れたのは、若頭になるための条件だって」
そうだよね、リョウ。
そう心の中で問いかけながらリョウを見れば、リョウは一度瞬きをして、言葉発していないのに「あぁ」と小さく返事した。
「俺は自分が蓮見の人間だと最近まで知らなかった」
「……え?」
知らなかった?
「知ったのは……数ヶ月前、お袋の病気が発覚した時だ」
「っ」
「それまで親父はいないと聞いていた。それなのにアイツは───蓮見の若頭は、お袋が末期のガンと知った途端俺の前に姿を現した」
……え? リョウのお母さんが、末期のガン……?
あんなに元気そうに見えたのに……?
数回しか会っていないのに、ものすごくショックだった。
末期という言葉が重くのしかかって、胸が苦しい。


