キミを奪いたい




……え?

私、を……?




信じられなかった。

だって、リョウには婚約者がいるって知っていたから。

だから、私を手に入れるためなんて……



と、疑ったけど、まっすぐ私を見つめてくるリョウの瞳に偽りは感じられなくて。


……でも、

それでも簡単には信じられなかった。






「あやのをもう一度手にいれるだって?ハッ。お前の家は────っ、」



そこまで言って、急に口を噤んだ瑠衣。

その表情は何かを悟ったような、何とも言えない複雑な表情をしていた。

と思えば、唇を噛み締めて、悔しげに前髪をガシガシと掻き上げる。





「だから家と縁を切るのか?

────あやのを手に入れるために」