「……客? どんな客だった」
足を止め、黒スーツの男───カスミを睨みつけるリョウ。
そんなリョウにカスミは空を仰ぎ、笑みを深める。
「いじめがいのある可愛い子うさぎのようなお嬢さんでしたよ。
確か……そう、“あやのさん”といった方でした」
「……なっ!?」
今一番知りたかった情報をまさか彼の口から出てくるとは思ってもいなかった侑真たちは、つい今彼に怯んだことも忘れ、詰め寄っていく。
「あやのは、あやのはどこにいるんですか!?」
「……ん?君たちはあのお嬢さんの知り合いなんですか?」
カスミの性格を嫌というほど知っているリョウは、その返答にチッと舌打ちをした。
そしてすぐに侑真たちに声をかける。
このまま相手をするとカスミを喜ばせるだけだと解っていたからだ。


