キミを奪いたい




侑真の張り詰めた口調に幹部たちの喉が鳴る。

その緊張感を壊すかのように、電話の相手は愉快げに言葉を紡いだ。



『〇〇区〇〇1-15』

「あ?」

『もう一度だけ言う。〇〇区〇〇1-15。

そこにお宅の姫サンがいる』

「っ、おい……っ、」




「……侑真?」

「……切れた」



無情に響くビジートーン。

それは侑真が耳から携帯を離したことで幹部たちの耳にも届いた。



「〇〇区〇〇1-15」

「は?」

「覚えろ。〇〇区〇〇1-15だ。

───そこにあやのがいる」



その言葉を聞いた瞬間真っ先に動いたのは颯太だった。

すぐさま手に持っていた携帯を操作し、ナビで検索する。



「出た。行こう!」



表示されているのは高級住宅地の最奥。

普段ならそれを知った時すぐに気付いたが、この時の侑真たちは平静を失っていたため誰も気が付かなかった。



────そこが裏世界の住人の根城だということを。