キミを奪いたい



ここまで言われてしまえば、私にはもう何も言い返すことが出来なかった。

だって、もうどうにもならないんだって感じ取れたから。


リョウと住む世界が違うことも、
Zeusが暴れている理由も、


この子と結婚することも。


私にはもうどうすることも出来ない。

────そんな力、私にはない。





今ならリョウからの電話の理由も分かる気がする。

きっと、この事を伝えたかったんだと思う。


私との関係を完全に断ち切るために。





「理解出来たみたいね。じゃあもう用はないわ」




そう言って踵を返した彼女を見て、なぜかリョウに背を向けられたように感じた。


痛くて、寂しくて、哀しくて────泣きそうになる。