キミを奪いたい






「リョウのお父様は関東一の極道 “蓮見組の若頭”なの」




関東一の極道、蓮見組の若頭……?



その世界に疎い私は、彼女の言う蓮見組がどれだけ巨大な組織なのか全く知らなかった。

けれど関東一と聞くと、何も知らなくてもその凄さは大体想像がつく。



リョウの家がそんな凄い家だったなんて……




「そして、私は────そうね、カタギの人間に分かりやすく言えば、若頭に近い役職の娘よ」



ふふん、と自慢げに言ってくるところを見ると、その組織での若頭に近い役職というのは上の方の役職なんだろう。

いまいちピンと来ないけど……




「リョウはね、次期若頭になるの」

「……え?」



リョウが?


そう言われて一瞬驚いたけれど、考えてみれば、若頭の息子なんだから次期若頭になるのは当然と言えば当然なわけで。


それを聞いて、やっと婚約者の意味が分かった気がした。


正直、婚約者のことを聞いた時は半信半疑だったけど、関東一の極道一家ともなれば政略結婚なんてそんな驚くことでもないのかもしれない。