────アナタはリョウにふさわしくない。
自信満々なその態度が私にそう言っているような気がした。
何も言い返せなくて俯いてしまう。
「……」
視界にあるのは、傷やシミ一つない綺麗な畳。
すぐ傍にはさっきまで寝ていた寝心地の良い上等な布団があって。
そこの障子を開ければ旅館のような立派な庭があることを私は知っている。
どれもこれも一般家庭には手が届きそうにないものばかり。
こんな立派な家の娘と婚約しているということは、リョウも格式の高い家の人間なんだろう。
ごくごく平凡な一般家庭の私とは違う。
「……それでも、」
それでも私はリョウのことを……
「────それでも。
その続きは“これ”を知っても言えるかしら?」
「……え?」
そういうや否や、「入りなさい」と声を放った彼女。
次の瞬間、
彼女の背後にあるふすまが同時に左右に開いた。


