キミを奪いたい




……え?
この子が……リョウの婚約者……?




ガツンと鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けて足の力が抜けた。

それによって崩れるようにその場に座り込み、冷たい畳が私を受け止める。





「だから言ったでしょう? 後悔するって」





頭上からクスクスと満足げな笑い声が落ちてくる。

きっと彼女はこの状況を望んでいたのだろう。


私がショックを受けて自分の前に崩れ落ちることを。






「……なんで、私を……」



ここへ連れて来たの?


その先は唇が震えて声にならなかった。


それでも彼女は汲み取ってくれるはず。

その質問もきっと彼女の想定内のはずだから。




「思い知って貰うためよ」





……思い知る? 何、を?


ぎゅっと手を握りしめ、顔を上げて彼女を見つめる。

すると彼女は薄ピンク色の唇を引き上げ、笑みを深めた。






「アナタとリョウでは住む世界が違うってことを」