「すみません、頭(カシラ)」
そう言って無表情になった男の人は、私と目を合わせることなくまた着物姿の男性の背後へと戻っていった。
おかげでまた威圧感たっぷりの男性と対面することになり、恐怖心がよみがえる。
「どこの娘だ?ヨシナミにはリナ以外娘は居ないはずだが」
ヨシナミ? リナ? だれ?
今の口調から察するに、この人たちはここ家の住人ではないのだろう。
ということは、この家の主はヨシナミさんってことになる。
ヨシナミ、ヨシナミ……聞いた事がない。
ってことは、知り合いの中にはいないってことだ。
じゃあ────
「あの、ヨシナミって────」
「あ、やっと見つけた!だから言ったでしょう?広いから着いていくって」
「…………え?」
突然聞き馴染みのない可愛らしい声に遮られ、戸惑った。
声がした方へと振り向けば、そこには可憐な少女がいて、
なぜか私に向かって微笑んでいた。


