キミを奪いたい



ほんの今まで部屋から出る気満々だったくせに、あの人たちのせいでその意欲が失せてしまった。


もしかしたら、ここから出たら危ないよっていう神様からのお導きなのかもしれない。


……なんて、都合のいい方に考えてみる。



何にせよ、私は意図的にココに連れてこられたんだ。このまま放置ってことはないと思う。


ってことはやっぱり、誰か来るまでこの部屋で大人しく待っていた方がいいんだろうか。


いや、でも、寝てるのに黙って連れて行くような人だ。危険な人にちがいない。



……よし。やっぱり来る前に逃げよう!



さっきよりもこぶしを強く握りしめ、気合いを入れて足を一歩踏み出した。


けれど、さっきのこともあるから、耳を澄ませながら障子へと近付いていき、触れる位置まで来たところで一度止まって人の気配がしないか確認する。


私が感じ取れる気配なんてたかが知れてるけれど、注意するに越したことはない。