キミを奪いたい



「気になんのか?」


なぜか口角を緩ませて嬉しそうに笑うリョウ。


不機嫌だと思えば急に機嫌良くなって。

何だか今日はリョウに振り回されている気がする。



そもそも、リョウの周りにいる女の子は雷神の元姫だけじゃない。

ライブハウスでは私の目の前で女の子と消えていったし。



「あやの?」

「……」


あの時のことが脳裏によみがえって、モヤモヤが収まらるどころが益々膨らんでいく。


この感情がヤキモチだってことぐらい分かってるし、それをリョウにぶつけることが出来ないってことも分かっている。

行き場の無い感情。
モヤモヤがおさまらない。



「あやの」

「……」

「こっち向け」

「……」

「手当て、してくれるんじゃねーの?」

「っ、」



そうだ。
私、手当てをしに来たんだ。