キミを奪いたい



「……」

「……」


冷静になって考えてみれば、私とリョウって今すごく気まずい関係というか……。

いくらリョウが酔っていて正気じゃないといっても、別れてから色々ありすぎて何だか目を合わせづらい。


互いのチームのことはもちろんのこと、雷神に命令したってことも真実かどうか知りたいし、雷神の姫と付き合ってるってことも気になっている。


そして最近、リョウが荒れてるってことも。





「この髪なんだよ」


不意に伸びてきた手にビクッと過剰に反応してしまう私。

伸びてきたその手は私の髪の毛をすくうと、遊ぶように指先に絡ませている。

と言っても、その髪の毛は私の髪の毛じゃなくてウィッグだけれど。



「えー、っと、変装……?かな?」


なんでこんなに緊張してるのか自分でも分からないけど、リョウが目の前にいるだけで心臓がバクバクと主張してくる。

今が夜で良かったと本気で思った。

だって今、絶対顔真っ赤だろうから。