キミを奪いたい



「……分かった」


怪我人相手に無茶はしたくなかったけど、こうでもしなければ止まってくれなかっただろうから。

せっかく手当てしに来たのに、悪化させるとかありえない。




「ここ座って」


止まった場所にあったのは、古びたビルの外階段。

その外階段にリョウを座らせて、私はその場にしゃがみ込む。

そして、リュックを下ろし、手当てするのに使う消毒液とかコットンを取り出した。



えっと、どこから手当てしよう……。


一番酷いのは確か顔だった。

とりあえず、見えてるところから手当てした方がいいよね。

そう思ってコットンに消毒液を染み込ませ、手当てをしようと顔を上げると、


「え……っと、」


なぜかリョウが私をじっと見下ろしていて。

あまりにもまっすぐ見てくるから、それ以上動けなくなってしまった。