キミを奪いたい



……って、


「ちょ、どこへ行くの!?」


急に手を引かれたかと思ったら、さらに人気のない方へと歩いて行くリョウ。


「……っ、ちょっと待って!」


離れてから気がついたけど、よく見ると、さっき会ったときよりももっとボロボロになっていて、

所々血が滲んでいるし、引っ張られたのか襟元もよれている。


顔だっていつも喧嘩してるとは思えないほど無傷だったのに、今日は殴られたせいで至る所に青アザが出来ているし、足元だってフラフラでおぼつかない。


これ以上無理したら本当に倒れてしまう。



「リョウ!怪我悪化しちゃうから!」

「……」

「リョウ!」


けれど、何度も呼びかけてもリョウは振り返ってすらくれなくて。


もう……!


だから、強行突破することにした。

掴まれた手はそのままにして、素早くリョウの前へと回り込み、空いてる手で無理矢理止める。



「リョウってば!」