キミを奪いたい




『……チッ』


少し間が空いて聞こえた舌打ち。

それが誰のものなのかなんて考えなくても分かっている。



「リョウ……!」


もしかして、また喧嘩するんじゃないよね!?


怪我してるのにこれ以上喧嘩なんかしたら───



「リョウ、ダメだよ……!」

『出逢った場所』

「……え?」

『来るまで待ってる』

「え、ちょ、リョウ!?」



一方的に切られた電話。

慌ててすぐにかけ直したけど、いくら鳴らしてもリョウは出てくれない。



「ダメだよ……」



ただでさえ怪我して苦しそうだったのに、これ以上怪我したら……


そう考えた瞬間、最悪の光景が頭に浮かんで、気づいたときにはもうイスから立ち上がっていた。


リョウは『来るまで待ってる』って言ってた。

この緊急事態に私へ電話してきたぐらいだ。仲間に電話せず、ずっと私を待ってるかもしれない。

そうなったら、怪我が悪化するかも……。