キミを奪いたい




まるで吐き捨てるような、切なげな声。


それは小さくても確かに私の耳に届いて、

心臓が痛いぐらいぎゅうっと締めつけられた。



───私だって、リョウに逢いたい。

今すぐ、逢いたい。





『……なぁ、っ、』

「リョウッ!?」



何かを言いかけたところで洩れた吐息。


もしかしたら、私が思ってるよりもずっと大怪我をしているのかもしれない。

もしそうだったら早く手当てしないと……



「リョウ、怪我してるんでしょ!?早く誰かに電話して──」

『お前が来い』



…………え?
私、が……?


それが冗談なんかじゃないってことは、さっきよりも力強い口調で分かる。



「で、でも……」



私が、リョウに会いに行く……?

それが出来たら────


そう思ったとき、



『おい、あそこにいるのZeusのリョウじゃね!?』



電話越し聞こえてきた嬉々としたその声にビクッと身体が跳ねた。