キミを奪いたい




それから、何事もなかったかのようにお迎えの車に乗り込んだ私たち。


車に乗る前、「あたしが喧嘩したことはみんなに内緒で!お願い!」と泣きそうな顔で言われたものだから、必死で平静を装い、笑顔を作った。




「今日行ったカフェの隣にケーキバイキングあったんだよね!今度みんなで行こうよ!」


車内で不自然なぐらい喋り倒すリンちゃんに違う意味でドキドキが止まらない私。

妃奈ちゃんも普段と全然変わらないし。


小心者の私にはさっきの状況が衝撃的すぎて、なかなか平然を装えずにいる。


今日ばかりは家が繁華街の近くで良かったと本当に思った。






「あやのちゃん、今日はありがとう!めっちゃ楽しかった!……最後ちょっとハプニングがあったけど」


最後の一言だけコソコソっと言うリンちゃんに思わず苦笑が洩れた。



「あやのちゃん、会えて嬉しかった!また遊ぼうね!」

「私も!二人ともありがとう!」

「帰ったら連絡するね~!」



二人に手を振って、窓から手を振ってくれる鳳皇の幹部さんたちに頭を下げる。