キミを奪いたい




『アンタらめっちゃ卑怯!一人に寄ってたかって!』



────加勢する!


とリョウに向かって叫んだリンちゃん。


けれど、リョウはこちらを振り返ることなく、「邪魔だ」と一言だけ放って向かってきた男に向けて拳を振り上げた。


あっという間にその場で1対5の乱闘が始まり、近づけなくなってしまう。



リョウ……




「あやのちゃん、今のうちに行こう」

「え?で、でも……!」



リョウが……


耳元でそう囁かれたかと思ったらリンちゃんに肩を引き寄せられ、強制的にこの場から連れて行かれる。


それを拒絶することなんか出来なくて、言われるがままに歩き出したけれど、どうしてもリョウのことが気になって振り返った。

けど、リョウに殴りかかる男たちのせいでよく見えない。


時折見え隠れするリョウは余裕があるように見えるけど、人数が多いせいか完全には避けきれていなくて。


そうこうしている内に大通りへと出た私たちは、リョウの前から姿を消した。