『やんないなら帰るわ。……二人ともお待たせ~。帰ろっか!』
「う、うん」
「そ、そだね」
まるで何事もなかったかのように地面に置いてある荷物を持ち、満面の笑みで私と妃奈ちゃんの肩を抱いて歩き始めるリンちゃん。
同一人物だよね?と確認したくなるほどの変わり様に動揺が隠せない私たち。
リンちゃん越しに妃奈ちゃんへと視線を移せば、妃奈ちゃんも同様に私を見ていて、お互い無言で苦笑し合った。
私はリンちゃんの強さを目の当たりにして、すっかりリョウの存在を忘れていた。
そして、世の中そんなに甘くはないということも同じく忘れていた。
「仲間やられて帰すわけねぇだろ~?」
どこかで様子をうかがってたのかと聞きたくなるほどタイミングよく現れた数人の男たち。
どうしよう……リンちゃんが強いって言っても、さすがに五人もの男を相手にするのはきついんじゃ……


