キミを奪いたい




「実際付き合ってねーんだし、噂なんてすぐに収まるだろ」

「そう、だよね……」



早く収まったらいいのに……



「あーちゃん、そろそろ帰らなきゃいけない時間だよね。送るよ」

「え?あ、ほんとだ。って、なっちゃんが送ってくれるの?」



時計を見れば、もう6時をすぎていて。


……って、6時!?



「あ!」


そこでようやく約束があったことを思い出した。


そういえば、今日陽沙ちゃんとお鍋の日だったんだ!すっかり忘れていた。


いくら用意してくれてると言っても、遅れすぎるのは良くない。



「オイ、今噂回ってるって言ったばっかだろ。車で送ってもらえ」

「あ、そうだった」


瑠衣の指摘に頭を掻くなっちゃん。



「あ、侑真、ちょっとあーちゃんに話あるから待っててもらえる?」

「分かった」

「えっ、なっちゃん?」



なっちゃんはなぜか「ごめんね」と謝ったあと、私の手を引いてソファーから立ち上がった。

そして、手を繋いだままドアへと歩き始める。