キミを奪いたい




「ぶつかったお詫びにって……」



さすがに苦しい言い訳だと思ったけど、こんな理由しか思いつかなくて。

チラッと顔を上げて侑真を見れば、侑真は無表情で私を見つめていた。


その双眸は私が嘘をついていないか確認しているようにも見える。





「……今日の件は理解した」




その言葉にホッと一安心する。


けど、今日の件“は”ってどういう意味?






なんだか嫌な予感がした。

直感とでも言うんだろうか。


良くないことを言われそうな予感がして、怖くなってグッと唇を噛み締めた。



私を見据える侑真はいつもの侑真じゃなくて。

まるで敵と対峙してるかのようなピリピリとした威圧的なものを感じる。


長い付き合いだけど、侑真にこんな目で見られたのは初めてかもしれない。






「────あやの」



静まり返った室内に、冷ややかに落とされた私の名前。


緊張感漂うその場に放たれたのは────





「お前、Zeusのリョウとなんかあるだろ」




私にとって一番聞かれたくないことだった。