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「あやの、お前最近機嫌良いよな」

「えっ!?」

「なになに、もしかして好きな奴でも出来たとか?」

「っ」

「え、うそ。マジかよ!」




リョウと逢えなくなって早三日。

本当なら逢いたくて逢いたくて仕方ないはずなのに、私は寂しくなるどころか逆に浮かれていた。



理由は簡単。逢えなくてもリョウが毎日電話してくれるから。


そりゃ逢えないより逢えた方が良いけど、逢えない分電話してくれるから全然寂しくない。


けど、リョウはそうじゃないらしく、電話をくれる度『早く逢いてぇ』とか『抱き締めてキスしてぇ』とか、赤面するような言葉を言ってくれる。


不満を吐露するリョウには申し訳ないけど、私はリョウと違って今の状況に満足してたりする。


だって、あのクールなリョウがすねてるなんて貴重すぎて。

出来るなら電話じゃなくて直接顔を見てみたいな、なんて意地悪なことを思っていたりする。