キミを奪いたい



まさかすんなり従うなんて思ってもいなくて、思わず振り向いてしまった。


「っ、」


ちょうど、私を見ていたリョウ。


だけど、この前みたいに冷めた目ではなくて。

どちらかと言えば付き合ってたころみたいな優しい目をしている。








トクン、と小さく胸が鳴る。


懐かしいその瞳から目を離せなくてジッと見ていたら、リョウに目を逸らされてしまった。


そしてそのまま背を向けられ、歩いていってしまう。



えっと、これってもしかして送ってくれるってこと?



どうしたらいいのか分からずにいたら、お母さんに「ほら、早くついて行って」と背中を押された。



「あの、ジュースありがとうございました!」

「こちらこそ相手してくれてありがとう。またお喋りしてくれると嬉しいわ」



笑顔で手を振ってくれたお母さんに軽く頭を下げて、先に歩いて行ってしまったリョウを追いかける。